2014年8月22日金曜日

Acer C720 Chromebookについて

アメリカに住み、Googleサービスを中心にインターネットライフを送っている私にとって、Chrome OSという概念は革新的でもなく自然に受け入れられます。なので、Chromebookは機を狙って入手しようと心にとめていました。

遂に、今月初旬、Acer C720(2GB RAM, 16GB SSD)のAcer OutletによるManufacturer Refurbished直販版を総額169ドル(税金、送料など全て込み)で手に入れました。新品はAmazon.comで179.99ドルだったのですが、予想以上に早く(Amazon.com期別#1salesだったそうです)売り切れとなってしまい、再度登場したときには購入を躊躇するくらい値上がりしていました(といっても250ドルくらいなのだが。。。)ので、これ以上の値下げはないと判断して購入しました。

私の用途はサブノート(セカンドマシン)。出張時、移動時の使用。居間でソファに座り、一杯やりながらのネットサーフィングなどに使えれば十分と考えています。

私見は以下の通りです。


1 ハードウェア:値段の割にしっかりしている。サブノートとしての不満は感じられない。音量も大きく、家族で寄り合ってビデオを見るくらいは自然にできる。USB端子が2つ(2.0(黒)と3.0(青)が1つづつ)、3.5ミリのマイク・ヘッドセット端子、HDMI出力端子がついている。オンライン通話用の内蔵ウェブカメラとマイク有り。WiFiとBluetooth4.0。イーサネット端子はない(即ち、ネット接続は無線のみ)。スクリーンは確かに良くないが、実用に支障はない。解像度は1366x768。

2 Chrome OS:文字通り、Google Chromeの機能しかない。ファイルブラウザ(個別ウィンドウ)とターミナル(Chromeのタブ)は(普通のブラウザには不要なので)Chrome OS固有機能として用意されている。LINUX Kernel version 3.8を使用。ネット書き込みによるとGentooベースで開発されたらしい。アップデートは自動的に行われる。初めて電源を入れた時に確認したSSDの空き容量は10ギガバイトちょい。ここにファイルを保存することが可能。

3 使用可能なアプリ:GoogleサービスをPC/Mac版Chromeで使っている人は、その環境が殆どそっくりそのまま再現されると思えばいい。アプリはChrome Storeから簡単にかつ高速にインストールできる。Android Appとの互換性はない(予定はあるとの噂)。Chrome Storeのアプリはかなり充実している。

4 できないこと:フォトショップ、ワードなどの一般的アプリはインストールできない。どのLINUX distroのレポジトリも使用不可(勿論、ハッキングは可能)。また、デバイスドライバーのインストールが必要なUSBデバイスは接続不能。残念ながらUSBプリンターはダメ。マウス、キーボード、ハードディスク、メモリースティックなどはOSの標準ドライバーで対処できる。USB CD/DVDもデータストーレッジとしてのアクセスはOKです。音楽や映画のCD/DVDは試していません。

5 使用感:169ドルのサブノートとしては大満足。バッテリーの持ち時間がとても長い。仕様では8.5時間ということだが、スリープ時のバッテリー消耗が殆どないので、使わない時にフタ(スクリーン)を閉じれば、充電器なしで一日過ごすことは余裕。20時間を超える日帰り出張に充電なしで対処できたことは嬉しい。ネットビデオ鑑賞は、画面の輝度に大きく依存するだろうが、連続5,6時間くらいは大丈夫。スリープとそこからの立ち上がりは瞬時(1,2秒)。電源オフからの立ち上げも10秒以下で済む。キーボードやタッチパッドも、ベストとは言い難いが、私にとっては(ショートカット多用派なので^^)十分満足できる。メモリースティックやSDカードの使用はスムース。充電は20%残量くらいから始めて1時間(をちょい切る)くらい。残念ながら、充電器は嵩張る。

6 タブレットとの比較:これは個人の嗜好の問題が大きいですが、私の場合、iPad miniをネット通信端末、Chromebookを移動用サブノートとして使い分けています。別の機会にまとめたいと思いますが、ネット通信端末としてのタブレットは未来的でとても気に入っています。

7 オマケ:169ドルという価格はハードのみではありません。Chrome OSは無料。オマケが3つあります。まずGoogle Driveの容量100GBが2年間無料で使えます(1.99ドル/月。23.76ドル分)。次に、アメリカ国内線限定ですが、GOGO Inflight Internetサービスが12回(フライト)使えます(2015年12月31日まで有効。60−75ドル相当くらい)。さらに、Google Play Musicが最初の90日間、アクセスし放題です(これは、自動的に有料購読に切り替わるようなので、私は使いません)。これらオマケは、最初にChromebookでGoogleアカウントにログインするとオンラインで購読ボタンなどが出てきます。

8 梱包:最近はエコブームで簡素化が進んでいるが、これはその極みだと思った。ダンボールに本体と充電器のみ(Refurbished固有の対処)。説明書きのA4コピーが一枚。本体も厚手のビニール袋で包まれているだけ。後始末がとても楽で助かりました。

9 セキュリティ対策:Chrome OSはLINUXベースで、しかもユーザ特権が簡単に奪えない仕組みになっています。普通に使う限り、特権アクセスは全くありません。ウェブアプリのセキュリティは、Chromeのサンドバッグ技術によって、タブが一つ汚染されたとしても、それが他に影響を与えない仕組みになっています。また、常に最新のChrome OSにアップデートされるようになっていますので、「Googleに全てお任せ」状態で基本的に大丈夫です。しかし、LINUXだからウィルスはないという話ではありませんので、clamAV(LINUXのウィルススキャンソフト)の使用を考えてもいいかもしれません。

10 アップグレード:ネットでよく見かけますが、私はChromebookのアップグレードは基本的に非効率だと思っています。用途や好みの問題が大きいのですが、個別ソフトやメモリ拡張などのハードウェアアップグレードを楽しみたければ、低価格帯のラップトップの購入が妥当でしょう。

ちなみに、Acer C720の場合、RAMは基板に直接ハンダ付けされていますので、拡張は困難です。SSDはNGFF SATAなので取り替え可能です。但し、ケースを開けた時点でメーカ保証の対象外です。私のChromebookのSSD容量は16GBで、10GBちょいをユーザ領域として使用できます。蛇足ですが、スワップ領域は2GBのRAMに対して3GB割り当てられています。UbuntuのCroutonによるインストール後も7GBの領域があります。十分とは言えませんが、SDカード、メモリースティック(USB外付けドライブ)やクラウドストーレッジを併用しますので、大きな問題はありません。

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では、ちょっと突っ込んだソフト面の制約とその解決策の話を少し。。。


1 マイクロソフトのオフィス:確かにインストールはできません。しかし、何も作業できない訳ではありません。Google Doc, Sheet, Slidesがそれぞれワード、エクセル、パワーポイントのファイルを読み込めます。DocとSlideはOfflineでも使えます。但し、どんな(オフィスの)ファイルでも完全に読み込めるわけではありません。なんだかんだ言っても、所詮は他社ソフトなので、細かい不具合はいろいろとでてきます。

がっかり!?いえいえ。まだ早いです。何と、マイクロソフト自ら、Office Onlineというウェブサービスを始めました。Googleに対抗するためでしょうか、hotmailをoutlook.comとして、そしてOneDriveというグラウドストーレッジサービスを合わせて提供しています。タブレット、スマホ、Offline対応もあります。統合感はGoogleのそれらと比べるとまだまだですが、オフィスファイルの簡単な編集なら全く問題ありません。ユーザインターフェースもオリジナルソフトと殆ど一緒ですので違和感なく使えると思います。

そして、何と。。。OneDriveの容量15GB付きで無料版があります。本当、Googleと似ています。但し、無料版はOffline非対応。

私は今年からMS Office Onlineで大学の書類処理をするつもりです。込み入ったファイル操作はありませんので、十分対処できると自負しています。オンライン操作に移行することで、ファイル共有が簡単になります。


2 フォトショップやスカイプ、VLCプレーヤ:残念ながら、個別ソフトのインストールは不可能です。しかし、ディベロッパーモードに移行する必要があるという制約付きですが、裏ワザ(想定外の方法)はあります。ChromebookにUbuntuをインストールし、その上で個別ソフトを使用する方法です。Life Hackerサイトなどに詳しい方法が解説されています。

私はCroutonというユーティリティを用いて、Ubuntu 14.04 Trusty Tahrをインストールしました。この目的は、chrootという方法を用いて、Ubuntuという独立した計算環境をChrome OS下で実行することです。従って、Chrome OSのカーネルの下でUbuntuが動きます。同じLINUXですから問題ありません。同じカーネルを用いるので、認識されたハードウェア制御はChrome OSとUbuntuで共有します。即ち、ネットアクセス、ドライブのマウント、スクリーンの輝度調整、音量調整などが共有されるということです。また、Chrome OSとUbuntuとの切り替えはCTRL-ALT-Shift->で瞬時にいつ(どちらかで作業の途中)でも行えます。デスクトップ環境はLXDE(Lubuntuスタイル)を使っています(他にUnity(Ubuntu標準), KDE(Kubuntu), Xfce(Xubuntu)などがある)。

Chrome OSのアップデートの影響でUbuntuの起動ができなくなることがありますが、Croutonは一回のコマンド実行で上手く対処してくれます。Chromebookの特別キーも使用可能にできます。

VLC、スカイプ、Mozc(グーグルの日本語FEP)、コンパイラ(C, C++, JAVA)をインストールして使っています。全て快適に動いてくれます。バッテリーの持ちも、急激に悪くなるといった問題はありません。切り替えもスムースです。VLCでビデオ鑑賞中にChrome OSのHangoutsが鳴って、それに応答するといったことも可能です。従って、ChromeやChromiumをUbuntuにインストールする必要性は感じていません。

フォトショップはgimpを使うことで対処できます。また、WINE環境を整えることで、少し古いフォトショップならばUbuntuで動かすことができます。オフィスも同様です。LibreOfficeやOpenOfficeを使えますし、WINE環境下でオリジナルを動かすことも限定的に可能です。一般的にパッケージマネージャで管理できるソフトは殆ど問題なく動作します。

iTuneは部分的ではありますが、bansheeやRythmboxなどDAAP対応プレーヤソフトで対処できるはずです(まだ試していません)。しかし、どうしても限定的接続になってしまうので、オリジナルを使いたいものです。残念ながら、アップルはLINUX distroに対してiTuneを公開していませんので、仮想環境下で動かすことに限定されます。今のところ、WINE環境下ではどうも満足な結果は得られていません。となると、仮想マシン環境下となります。

一度、VirtualBoxによるWin8の仮想マシン構築を試みましたが、ディスク容量が足りずに失敗しました。今度は上手く立ちまわって、32GBメモリースティック上の作業を試みるつもりです。しかし、RAMは2GBしかありませんので、仮想マシンで動かすWindowsは32bitバージョンにした方が無難だと思います。

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総括:サブノートとして、ブラウザー(特にGoogle Chrome)中心で仕事をする人にはとてもいい選択だと思います。Ubuntuインストールなど、ちょっとした想定外の使用で用途は更に広がります。とにかく、169ドルという値段が魅力的でした。